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蓄電池

2026.02.08

蓄電池の歴史|人類は「電気をためる」ことで何を変えてきたのか

蓄電池の歴史|人類は「電気をためる」ことで何を変えてきたのか

蓄電池の歴史|人類は「電気をためる」ことで何を変えてきたのか
監修者:野口尚稔
監修者 野口尚稔
「株式会社やまもとくんエナジー」マーケティング担当
屋根診断の専門家として、住宅の状態を正しく見極めたうえで、太陽光発電の適性を判断しています。
太陽光は単なる設備工事ではなく、屋根や防水、将来のメンテナンスまで考慮すべきもの。
お客様の住まいを長く守る視点から、本当に適した太陽光導入を提案しています。

蓄電池は「裏方」だが、文明を進化させてきた主役

私たちの身の回りにあるスマートフォン、電気自動車、そして太陽光発電とセットで使われる家庭用蓄電池。
これらを支えているのが「蓄電池」という技術です。

発電は目立ちますが、電気を“使いたいときに使える形”に変える存在こそが蓄電池です。
実はこの技術、人類の歴史とともに200年以上進化を続けてきました。

この記事では、時代ごとにわかりやすく解説します。

  • 蓄電池がどのように誕生したのか
  • 技術革新の転換点はどこだったのか
  • 現代の太陽光+蓄電池につながる流れ

蓄電池の始まりは18世紀「ボルタ電池」

蓄電池の歴史は、1800年にイタリアの物理学者 アレッサンドロ・ボルタ によって発明された「ボルタ電池」から始まります。

金属(亜鉛と銅)と電解液を重ねることで、連続して電気を生み出すことに成功しました。
これは「電気を制御できる形で取り出せた」人類初の瞬間です。

ただしこの電池は、

  • 一度使うと元に戻せない
  • 本当の意味で「蓄える」ことはできない

という制約がありました。

それでもこの発明により、
電気は自然現象から“技術”へと変わったのです。

当時の科学者たちは、この安定した電流の出現に大きな衝撃を受けました。
それまで一瞬しか扱えなかった電気が、実験や研究に「継続して使えるもの」になったことで、電気化学や電磁気学の発展が一気に加速します。
ボルタ電池は、後の蓄電池開発の土台となる原点だったと言えるでしょう。

19世紀後半、充電できる「鉛蓄電池」が誕生

1859年、フランスの物理学者 ガストン・プランテ によって、
世界初の「充電可能な蓄電池」=鉛蓄電池が開発されました。

ここが大きな転換点です。

鉛蓄電池の特徴は、

  • 使っても充電すれば再利用できる
  • 高い出力を安定して出せる
  • 構造がシンプルで壊れにくい

という点です。

鉛蓄電池は、その高い信頼性と安定した出力性能から、長い歴史の中で幅広い用途に使われてきました。自動車のエンジン始動用バッテリーとしてはもちろん、停電時に電力を確保する非常用電源や、工場や通信設備を支える産業用バックアップ電源としても活躍し、100年以上にわたって蓄電池の主役であり続けてきた技術です。現在でも多くの分野で現役で使われている点から見ても、鉛蓄電池は完成度の高い成熟技術だと言えるでしょう。

20世紀、乾電池とニッケル系電池の普及

20世紀に入ると、電気は研究や工場だけのものではなく、一般家庭や携帯機器でも使われるようになりました。それに伴い、持ち運びができて、誰でも扱える小型・軽量の蓄電池が強く求められるようになります。

この時代に登場し、普及を支えたのが次のような電池です。

  • マンガン乾電池
  • ニッケルカドミウム電池
  • ニッケル水素電池

マンガン乾電池は、低コストで安定した電力を供給できたことから、ラジオや懐中電灯などに広く使われました。一方、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池は充電して繰り返し使える点が特徴で、家電製品や携帯機器の発展を支える存在となります。

こうした電池の普及によって、家庭用電化製品は一気に身近なものとなり、電気は「特別な技術」から「日常的に使うインフラ」へと変化しました。なかでもニッケル水素電池は、安全性と実用性のバランスに優れていたことから、長期間にわたり多くの製品に採用され、次世代電池へとつながる重要な橋渡し役を果たしました。

革命的転換点「リチウムイオン電池」の登場

1991年、日本のソニーが商用化した
リチウムイオン電池は、蓄電池の歴史を一変させました。

従来の電池と比べて、

  • 圧倒的に軽い
  • エネルギー密度が高い
  • 繰り返し充電に強い

という特徴を持っています。これにより、長時間の使用と小型化を同時に実現できるようになり、機器設計の自由度が飛躍的に高まりました。

この技術により、

  • スマートフォン
  • ノートパソコン
  • 電気自動車

が現実的な存在になりました。
つまり、現代のデジタル社会はリチウムイオン電池なしでは成立しないと言えます。

再生可能エネルギー時代と蓄電池の役割

太陽光発電が普及するにつれ、新たな課題が生まれました。

それは、
「電気が余る時間」と「足りない時間」があるという問題です。

昼間に発電しても、

  • 夜は使えない
  • 天候で発電量が変わる

この不安定さを補う存在として、
家庭用・産業用の蓄電池が急速に進化しました。

現在の家庭用蓄電池は、

  • 太陽光で作った電気を夜に使える
  • 停電時の非常用電源になる
  • 電気代の高い時間帯を避けられる

といった役割を担っています。

これからの蓄電池|「ためる」から「制御する」へ

最新の蓄電池は、単に電気をためて使うだけの装置ではありません。
家庭や社会全体のエネルギーの流れを最適化する、制御装置としての役割を担うようになっています。

  • AIによる充放電制御
  • 電力会社との需給調整(DR)
  • 電気自動車との連携(V2H)

これらの技術により、電気料金が安い時間帯にため、高い時間帯に使うといった運用が可能になり、家庭単位でも電力の使い方をコントロールできる時代が到来しました。さらに災害時には、停電中でも生活に必要な電力を確保できる点が大きな安心材料となっています。

今後は、

  • 全固体電池
  • 長寿命・高安全性電池

といった次世代技術の実用化も進むとされ、蓄電池は「備え」から「積極的に活用するインフラ」へと進化していくでしょう。

日本の蓄電池産業の歩みと世界への影響

日本の蓄電池産業は、世界の技術革新を牽引してきた存在です。
とくに1990年代以降、日本企業は安全性・品質・量産技術の面で大きな役割を果たしてきました。

1991年、ソニーが世界で初めてリチウムイオン電池を商用化したことは、蓄電池の歴史における大きな転換点です。
これにより、携帯電話やノートパソコンといったモバイル機器が一気に普及し、日本の電池技術は「実用化の代名詞」として評価されるようになりました。

その後も、パナソニックをはじめとする日本メーカーは、

  • 高い安全基準
  • 長寿命設計
  • 精密な品質管理

を武器に、自動車用・家庭用・産業用蓄電池分野で存在感を示してきました。

近年では、再生可能エネルギーの拡大に伴い、家庭用蓄電池や系統用蓄電池への需要が急増しています。
日本の蓄電池産業は「作る技術」だけでなく、「安全に長く使う技術」に強みを持ち、今後もエネルギー社会の基盤を支える重要な役割を担っていくでしょう。

まとめ|蓄電池の歴史は「暮らしを自由にした歴史」

蓄電池の進化を振り返ると、
それは単なる技術史ではありません。

「いつでも電気が使える安心」「エネルギーを自分でコントロールできる自由」

この価値を、人類にもたらしてきた歴史です。

太陽光発電が「作る技術」だとすれば、
蓄電池は「活かす技術」。

これからの住まい・エネルギーを考えるうえで、
蓄電池は欠かせない存在であり続けるでしょう。

近年は地震や台風、大雨などによる停電リスクが現実的な課題となり、蓄電池の価値はさらに高まっています。

災害時でも照明や冷蔵庫、通信手段を維持できることは、暮らしの安心に直結します。電力を「外部に頼るもの」から「自宅で守るもの」へと変える存在として、蓄電池は防災インフラの一部となりつつあります。この視点から見ても、蓄電池はこれからの住まいに欠かせない基盤技術だと言えるでしょう。

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蓄電池の歴史や進化を知ることで、「なぜ今、家庭用蓄電池が注目されているのか」が見えてきたのではないでしょうか。
一方で、実際に導入を検討する際には、仕組み・メリット・注意点を具体的に知ることが大切です。

当サイトでは、蓄電池の仕組みとメリット・デメリットを徹底解説しています。

https://yamamotokun-energy.co.jp/blog/storage-battery-benefits/

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